言い終えた瞬間、肩から何かがゆっくり剥がれ落ちるように軽くなる。まるで長く止まない雨がやっと上がったみたいに。
ユージーンの瞳には少し涙が光っていて、それは後悔ではなく、やっと真実を渡せた安堵の色だった。
「……すまないスズ。それでも俺はスズを〝娘〟として守りたかった」
ユージーンの言葉に周囲は静まり返り、スズランだけが瞳を見開いたまま、胸の前でそっと両手を握りしめていた。
「……即ち、スズラン嬢は公女という立場。間違いなく確かな事実として受け取って良いのだね?」
ライオネルが落ち着いた声で念を押す。
「はい……確かで、ございます」
「親父…っ何でこんな大事なこと今まで黙ってたんだよ!?」
セィシェルが声を上げるも、一番困惑しているのは当の本人である事は誰が見ても明らかだった。そんなスズランの肩にそっと腕を回すラインアーサ。
「大丈夫か? スズラン」
「……」
スズランは小さく頷きながらも不安そうに眉を下げている。
「当時……内乱が終息して間もない頃、私は炊き出しに参加し、使用する物資を運ぶ為に旧市街へ通っていました。その頃、偶然アスセナス公と、その娘であるスズと出会ったんです」
───かつての旧市街は現在よりも治安が悪かった。地元の民でも避ける危険な夜間に、見るからに他国から流れ着いたであろう風貌のアスセナスと、まだ幼いスズランは大怪我に加え衰弱し切っていた。
ユージーンの瞳には少し涙が光っていて、それは後悔ではなく、やっと真実を渡せた安堵の色だった。
「……すまないスズ。それでも俺はスズを〝娘〟として守りたかった」
ユージーンの言葉に周囲は静まり返り、スズランだけが瞳を見開いたまま、胸の前でそっと両手を握りしめていた。
「……即ち、スズラン嬢は公女という立場。間違いなく確かな事実として受け取って良いのだね?」
ライオネルが落ち着いた声で念を押す。
「はい……確かで、ございます」
「親父…っ何でこんな大事なこと今まで黙ってたんだよ!?」
セィシェルが声を上げるも、一番困惑しているのは当の本人である事は誰が見ても明らかだった。そんなスズランの肩にそっと腕を回すラインアーサ。
「大丈夫か? スズラン」
「……」
スズランは小さく頷きながらも不安そうに眉を下げている。
「当時……内乱が終息して間もない頃、私は炊き出しに参加し、使用する物資を運ぶ為に旧市街へ通っていました。その頃、偶然アスセナス公と、その娘であるスズと出会ったんです」
───かつての旧市街は現在よりも治安が悪かった。地元の民でも避ける危険な夜間に、見るからに他国から流れ着いたであろう風貌のアスセナスと、まだ幼いスズランは大怪我に加え衰弱し切っていた。



