自分の部屋に言ってみて、段ボールを開封する。

それにしても

部屋

広すぎ〜!!!!


まず、リビングみたいな大きい空間。

床は大理石でできていて、ひんやり冷たい。

そこから、右のドアを開けると、お花の匂いがするピンクで統一されたトイレ。

トイレの隣のドアを開けると洗面所兼脱衣所で、ココも広い。

お風呂は⋯

わぁぁ〜!

透明なバスタブに、銀色の網目状の入れ物がかけてあって、入浴剤やろうそく、バラなどがある。

シャンプーやリンスも高級そう。


しかも、個室は2部屋あった。

ベランダもある!


至れり尽くせりだ〜〜〜!!



なんか、結構楽しみになってきたな!


いっかい、説明書っぽいものがおいてあったので呼んでみる。

「・大浴場が最上階にあります。
 ・食事は、3階に食堂があります。」

ある一点で止まる。


大浴場か〜

こんなお風呂があるのに!?


どんだけお金持っているんだ、この学校!   

いったん、この建物探検してみようかな。

他にも色々施設あるみたいだし。



それにしても広い。

あ!私の大好きな…

卓球場だ!

やりたくてウズウズしていると、足音が聞こえた。

だれだろ?

あわよくば、一緒に卓球できちゃったりしないかな???


「あれ〜?彩李ちゃんじゃない?」

「ほんとだ!」

「卓球するのかな?」


三つ子くんたちだ!!

「「「やっほ〜」」」

「うん、やっほー!」

そういえば…

「名前おしえてくれない?私は、教室でも言ったけど、更紗彩李。よろしくね!」

「「「僕たちは、」」」

「理久!」

「理央!」

「理佐!」

「「「よろしくね!!」」」

息ぴったり!

あと、名前も、きれいでかっこよくて、

素敵だな〜

「あの、よかったら、卓球、一緒にしない?」

「「「いいよ!やろ!」」」

やった!

「じゃあ、何にする?ダブルス?」

「いいんじゃない?」

「僕もそれでいいと思うよ!」

3人が進めてくれてる。

「彩李ちゃんのこと、」

「あーや、って」

「呼んでもいい?」

必殺!上目遣い!!

(背は三つ子のほうが少し大きいけどそう見える。)

「も、もちろんいいよぉ〜」

「「「よし、あーや、グッパーしよ!」」」

「「「「グットパーでわっかれ!」」」」


わっかーれ

わっかーれ

わっかーれ



なかなか二人二人にならない。

だって、三つ子、みんな同じの出すんだもん!!

だけどわざとではないらしく、だんだんげっそりしてきている。

思考回路までいっしょか〜


どうするべきか。

あ、そうだ!


「いまから、私の手に最初にタッチした人から引いてもらいます!

よーいスタート!!」

3人は、は?という顔になって、その後おずおずと、

理央くんがタッチした。

そして、理佐くん、

理久くんと続く。

よし!!

「じゃあ、最初は、理央くんからだ「初めて…」

え?

「初めて、3人を分けてくれた。」

理央くんが嬉しそうに言った。

「たしかに」

「ホントだ」

理久くんが話し始めた。

「ぼくら、こんなふうに分かれにくいんだよね。ていうか、分かれない。 
だから、だいたい分けることは諦められて…」

最後は理佐くん。

「3人で一つで扱われてきた。」

え?

「あ、べ、べつにいいんだけどね!」

「3人で一つでも!!」

「仲いいし、僕ら!!!」



「それでも…」

思わず呟いてしまう。

「それでも!!

一つ聞くけどさ、理久くんだったら理央くんと理佐くん、理央くんだったら理久くんと理佐くん

理佐くんだったら理久くんと理央くんに…代わりっている?」

「「「え?いるわけない!」」」

うん、だよね。

「それと同じだよ。
理久くんも、理央くんも、理佐くんも、代わりなんていない、1つの宝物なんだよ?

その証拠にさ、あるじゃん、それぞれとっても素敵な名前が。

わたし、初めて聞いたとき、素敵だなって思ったの。

きれいでかっこいい名前だなって!!

わたしは、3人のことがもう大好きだよ?

それは、三つ子だからじゃない。

自分から進んで決めなきゃいけないことを決めてくれたでしょ?

そういう、自分から物事を進めていこうとするリーダーシップとか。

明るい言葉と笑顔で、場の空気を楽しくしてくれるとことか!

一緒にいて、安心できるっていうか、頼れるっていうか!

そんな性格だから、大好きなの!

3人は合わせて一つなんかじゃない。

ただ…合わさると、強くなるだけだよ!!」


一気にいいきってはっとする。

息が上がる。


「ご、ごめんね…あってばっかりなのにこんな知ったような口調…

そんなに知らないのに…」

そういって顔を上げると…


静かに涙を流す、3人がいた。