「そうだ、みんなに紹介しなきゃね〜」

「え!緊張するな−!」

どんな人がいるんだろう。

「ちょっとリビングで待ってて。みんな今日は家にいるから集めてくる。」

そう言って椿くんは階段を上がっていった。

大人しくソファーに座って待っておく。

わ、フワッフワだぁ!

沈みそうになって、あははっと笑っていると、人の気配があることに気づいた。

顔を上げると、明るいけど明るすぎない茶髪の、清潔感のある男の子が立っていた。

雰囲気は、犬系?

その子は、ポーッと頬を染めながら私を見つめている。

「え、あ、あの、その、」

若干パニクってる私を見て、その子も、

「あ、ああいやその⋯!」

そして、

「おれ、高1の、成宮大輝って言います!
大輝って呼んでください!

今日から転入してきたっていう、新しい特待生の人ですよね!」

うう〜!癒やされる〜!

超いい子じゃんか〜!

「う、うん、よろしくね」

そう答えると、大輝くんは嬉しそうにパアっと顔が明るくなったが、すぐにハッとしたように曇った。



「あの、お姉さん、僕とは⋯そんなに関わらないほうがいいかもなんです。

自分から話しかけといて⋯すみません」

シュンとうなだれる大輝くん。


「え?」



聞き返そうとしたとき、みんなが降りてきた。

「特待生追加?」


「「「もしかして転校生って⋯」」」


「珍しいな。」


「どういう系??」


そして、視線がすべて私に向いた。


「「「「「「「「「「「「「え?女の子?めずらしい」」」」」」」」」」」」」


「あ、あの、今日から転校してきた、更紗彩李です。
これからここで住むみたいなので、よろしくお願いします」


「う、うん!よろしくね〜」


「「「転校生って言ってたけどやっぱりお前かー」」」


「眠い。」


「女と住むとか無理なんだけど」


「先輩、流石にそれは⋯」


「かっわいいね〜
デートしない?」


「よろしくねぇ〜」


うん。個性豊かすぎ!


「自己紹介してたらきりないから、特待生リスト渡しとくね!

まあ名前と顔だけでも目を通しといてほしいかな」

椿くんが冊子を渡してくれた。


こんなのあるんだ〜

部屋で見よ!


「じゃあ解散!!」

椿くんの一言で、みんなはバッと散っていった。


部屋行こ〜