君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~

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「………蓮さん、お菓子のゴミは捨ててください」

「…………」

「読んだ本は元の場所に戻してください」

「…………」

「蓮さん、」


「……………あー、いちいちうっせーな。由良、お前は俺のオカンか?」



ギロリ、とソファに寝転がったままのレンさんに睨まれる。

鋭い眼光。
普通の人ならこれだけで震え上がるはずの威圧感だ。

……けれど。


一週間一緒に行動していてわかったこと。


ひとつ、レンさんは、意外とズボラ。



脱ぎっぱなしのジャケット、読み散らかされた雑誌、空になった炭酸飲料の缶。
……彼の周りだけ、いつも時間が止まったかのような散らかり具合だ。


………全国No.1の暴走族として、総長として、ひとりの人間として……それで大丈夫なのかと思う。


外で見せる、あの冷徹で圧倒的なカリスマ性は一体どこへ行ったのか。

私は深いため息をつきながら、彼が放り出したポテトチップスの袋を拾い上げた。




ふたつ、”月華”の五人は全く協調性がない。


………全員見事に性格と趣味が違うため、基本的にはバラバラに行動している。

このチームがどうやって機能しているのか、一週間経った今でも不思議でならない。



「………と、言いつつも、結局は言うこと聞いていますけどね。」


クイッと、定位置でメガネを上げた李兎。
その手元には相変わらず難解そうな書類が並んでいる。


…………今だってここにいるのは、私と”レンさん”と李兎の三人だけしかいない。


陽人は下に様子を見に行って、太晴はどこかに出かけて行き、裕太は………

どうやら女の子から、お誘いが来たみたいで。


本当に、自由奔放というか、なんというか。
暴走族の集会所というよりは、放課後の部室のような緩い空気が流れている。


「チッ、お前が来る前は楽だったのによ……」


ソファの上で寝返りを打ちながら、レンさんが不機嫌そうに毒づく。

………けれど、その指先は私が「戻せ」と言った漫画の表紙を、無造作に弄っていた。



「僕をここに入れたのは蓮さんでしょう……?」

「あー、うっせー」

「ハハ………」