「ひ、一思いに、殺せ……っ」
「質問に答えろ。……殺すのは、その後だ」
男の懇願を、由良はゴミを見るような冷たい一瞥であしらう。
さらに足に体重をかけ、男の肋骨をじわじわと踏み潰していった。
────メキ、と嫌な音が静かな倉庫に響く。
「あ、ぎゃああああっ!!」
「ここに囚われていた女はどこへ行った。誰が連れ去った」
感情の消えた声で、由良は淡々と問いかける。
仲間が皆殺しにされている恐怖と、目の前の男の容赦ない拷問に、生存者の男は完全に精神を叩き割られていた。
「い、言う、言うから……! もうこれ以上踏まないでくれ……っ!」
男は涙と血に塗れた顔で、ガチガチと奥歯を鳴らしながら、必死に由良を見上げた。
────その目は、完全に死神を見つめる恐怖に染まっていた。
激痛と恐怖に震える男を見下ろしたまま、由良は小さく目を細めた。
その瞳に、一瞬だけ、鋭い確信の光が宿る。
「……三人組の男か」
低く、地を這うような由良の声が、静まり返った倉庫に響いた。
その言葉を聞いた瞬間、男の顔から完全に血の気が引いた。
見開かれた瞳が、恐怖で激しく左右に揺れる。
「な、なんで……お前が、それを……っ!」
「答えろ」
由良がさらに冷たく突き放すと、男は喉をヒッと鳴らし、狂ったように何度もコクコクと首を縦に振った。



