「蓮……こっちの奴も、心臓が動いてません……。全員、死んでます……っ」
李兎の悲鳴のような掠れた声が、静まり返った倉庫に響き渡る。
大勢の敵が、気絶しているのではなく、全員ここで殺されている────。
────その事実を突きつけられた瞬間、俺の頭は真っ白になった。
あまりの異常事態に、俺たちが言葉を失い、その場に立ち尽くしていた、その時だった。
「…………いた」
……静寂を切り裂くように、由良の低い声が短く響いた。
ハッとして振り返ると、由良は倉庫の最奥にある鉄パイプの山に歩み寄っていた。
────その足元、資材の影に隠れるようにして、一人の男が倒れている。
かすかに肩が上下に動いていた。
この惨劇の中で、唯一生き残った生存者だ。
「おい、待て、由良──!」
俺が駆け寄るよりも早く、由良は容赦なく行動を起こした。
────ガッ、と鈍い音が響く。
由良は冷徹な目のまま、生存者の傷だらけの脇腹を、容赦なく靴の先で踏みつけた。
「が、あ……っ!」
意識を失いかけていた男が、激痛に顔を歪めて悲鳴を上げる。
口元からドロリとした鮮血が溢れ出た。



