君は、狂愛の檻の中


〈蓮side〉


俺が、騒ぎを聞きつけて現場に到着したころにはもう遅くて。


あたりには傷だらけになった仲間たちが、無残に倒れていた。


「っ、おい、だいじょうぶか……!?」


「…………ぁ、そう、ちょ………」


うっすらと意識がある下っ端を、ゆっくりと壁によりかかせる。


「どうした?なにがあった?」


「………急に、奴らがたまり場に乗り込んできて………フードを被ってて相手の正体もよくわからなくて、それで………」


「…………他の奴らはどうした?」


「……あっちで、まだ、乱闘が…………」


耳を澄ますと、微かに聞こえてくる怒鳴り声や金属の重たい音。


「っ、」


………間に合わなかった。


たまり場にいれば、すぐに参戦できたのに。


俺が、学校になんて行かなければ。


「…………遅れて、悪かった」


「っ、いえ、総長は…………」


「………………あとは、任せろ。”月華”は俺が総長の名に懸けて絶対に守り抜く」


「総長………すみません、俺………」


「お前は気にしなくていい。もうすぐ応援が到着する。ゆっくり休んどけ」


「は、い………」


ゆっくりと目を閉じていく下っ端を見届けて、音を頼りに裏路地を進む。