君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~



(────湊……っ!!)



「なんでお前がここに…………!?」


大嫌いなクソ野郎が、由良が言う由衣を救える唯一のアテだったという事実を、俺は最悪な形で確信した。







「でー?一体今日は何の用ですかぁ?」


人の気も知らず、ヘラヘラと締まりのない顔で笑う湊の胸ぐらを、俺は掴み上げようとした。


……だが、それより早く、由良の冷たい声が部屋に響く。





「───湊。自分がやったこと、わかってんの?……こんなところで油を売ってないで、さっさと由衣の場所を割ってくんない?」


その要求を聞いた瞬間。

湊の顔から、緩さが一瞬で削ぎ落とされた。





「……わかってるよ、それくらい。元はと言えば、俺が───」


低く、押し殺した声。

だが、最後までその言葉が紡がれることはなく、彼は下唇を噛んで俯いた。




(───なんだ、この違和感。コイツらの言い方だと、まるで湊に原因があるような……)