─── ♠ ───
────走る背中に、冷たい焦燥感がへばりついて離れない。
(由良はああ言ってたが、本当にそれは由衣を助けることに繋がるのか……?もしそれがダメだったら、完全に行き止まりだぞ?)
……だが、李兎のバイクのナビに表示された目的地が近づくにつれ、俺の胸に別のざわめきが広がっていった。
(おい、待て……このルート。まさか、な……)
「ここか……!?」
李兎がバイクを止めたのは、見覚えのありすぎる大通りの片隅だった。
俺が少し前に由衣にネックレスを送り、つい最近由衣からピアスをもらった店─── Celestiaという名の小さなアクセサリー店。
店の前には、すでに由良が乗ってきたであろうバイクが止められていた。
「……遅い」
建物の影から現れた由良は、相変わらず感情の読めない無機質な瞳のまま、顎で店の入り口をしゃくった。
俺たちは言葉もなく、由良の後に続いて薄暗い店の奥へと足を踏み入れる。
関係者以外立ち入り禁止と書かれたドアを開け、さらに奥の部屋へ。
────そこに置かれたソファーに、奴はだらしなく身体を預けていた。
「やあ、また会ったね。嫉妬深い総長サマ。」
チャラチャラとした、緊張感のまるでないゆるい声。
……暗がりに浮かび上がったその顔を見た瞬間、俺の脳裏に、かつて由衣と親しげに笑い合っていた男の姿がフラッシュバックした。
────走る背中に、冷たい焦燥感がへばりついて離れない。
(由良はああ言ってたが、本当にそれは由衣を助けることに繋がるのか……?もしそれがダメだったら、完全に行き止まりだぞ?)
……だが、李兎のバイクのナビに表示された目的地が近づくにつれ、俺の胸に別のざわめきが広がっていった。
(おい、待て……このルート。まさか、な……)
「ここか……!?」
李兎がバイクを止めたのは、見覚えのありすぎる大通りの片隅だった。
俺が少し前に由衣にネックレスを送り、つい最近由衣からピアスをもらった店─── Celestiaという名の小さなアクセサリー店。
店の前には、すでに由良が乗ってきたであろうバイクが止められていた。
「……遅い」
建物の影から現れた由良は、相変わらず感情の読めない無機質な瞳のまま、顎で店の入り口をしゃくった。
俺たちは言葉もなく、由良の後に続いて薄暗い店の奥へと足を踏み入れる。
関係者以外立ち入り禁止と書かれたドアを開け、さらに奥の部屋へ。
────そこに置かれたソファーに、奴はだらしなく身体を預けていた。
「やあ、また会ったね。嫉妬深い総長サマ。」
チャラチャラとした、緊張感のまるでないゆるい声。
……暗がりに浮かび上がったその顔を見た瞬間、俺の脳裏に、かつて由衣と親しげに笑い合っていた男の姿がフラッシュバックした。



