君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~



《じゃあ、俺は先に行ってるから》



そして ──── 俺が言葉を発するより早く、ブツッ、と冷たい電子音を残して、通話は一方的に切られた。







「「「「「─────」」」」」



───部屋に残るのは、俺たち五人の、静まり返った息を呑む音だけ。


今のこの状況が、底なしの絶望であることに変わりはない。




……だけど。



まったくアテがなかった暗闇の中に、ほんの少しでも、由衣を救い出せる光が見えたなら。


由衣のあの笑顔を、もう一度この手で取り戻せる可能性が、一ミリでもあるのなら。




(───俺たちがやることは、もう決まってる。)



ギュッと拳を握り締め、顔を上げる。









「────大晴、陽人、裕太、李兎、行くぞ! 由良が教えた住所にナビを合わせろ!」



「「「「おう!!」」」」





俺たちは倉庫を飛び出し、バイクにまたがって街を走り出した────……