《……さぁ。それは知らない》
「……は?」
《九条の居場所はわかる。でもきっと、今は由衣と違うところにいるはず。……だから、九条を探しても意味がない》
緊迫していた部屋の空気が、一瞬で凍りつく。
……あまりにも堂々と、悪びれもせずに放たれた言葉に、俺は思わず拍子抜けしてマヌケな声を上げていた。
「マジで言ってんのか? お前、散々偉そうに煽っといて……」
《は? そんなの知らないよ。でも、由衣の居場所を調べようにも……俺は、昔からハッキングとか、そういう頭使うのには向いてないから》
(マジかよ……お前が最後の頼みの綱だったのに……)
悪びれもせずに言い放つ由良の声に、俺と李兎は思わず顔を見合わせて肩を落とした。
……せっかく九条という手がかりを掴んだのに、結局は振り出しに戻ったような絶望感が部屋中を包み込む。
────だが、ガッカリする俺たちの耳元で、由良は低く笑った。
《でも、諦めるにはまだ早い。一つだけアテがある。一時間後に〇〇(住所)に来い》
「え……? おい、それって────」



