君は、狂愛の檻の中


「…………蓮さんのこと、好きなんですか?」


ピタッと彼女が固まる。


「………なんで、それを………」


「僕、人よりも目が優れているんです。だから、そういう感情にも敏感で………」


「っ、なら手を離してよ……!私は、蓮くんのところに行かなきゃ………」


暴れる彼女を抑える手に、グッと力を入れる。


「ならあなたが行って、なにができるんですか?…………戦場では戦闘技術がないと、逆に足手まといになる」


「っでも、もう仲間がやられるのを何もしないで待つのはイヤっ!!!!」


「────────え、」


バッ、と彼女が栗色のツインテールを風になびかせて走り出す。









「………っ……」


頭を鈍器で殴られたような衝撃がした。


………今の、まるで”あの時”の私を見ているみたいだった。


ただぼーっと、世界から色が消えるのを眺めていた私に。


足掻くことさえ許されず、見ていることしか許されなかった私に。


”由衣は、悪くないよ”


”待ってて。いつか、必ず戻ってくるから”


そういって、消えてゆくあなたに─────


~由衣side end~