君は、狂愛の檻の中


「……よかっ、たぁ………」


ハア、と目の前の華奢な肩から力が抜けた。


「それにしても………」


「………なんですか?」


「あなた………蓮くんから聞いていた通り、本当に地味な格好してるのね。」


「あはは………そうですか?」


「…………逆に、今時そんなキッチリ校則守ってる生徒なんていないんじゃない?」


「…………」


「せめて、前髪だけでも………」


サラッと白い手が、邪魔だった前髪をすくい上げて………急に明るくなった視界で、パチっと桃色の瞳と目が合った。


「………っ、えっ///」


目を見開いて固まる"姫"。


「あーあ、バレちゃった………姫、このことは他のみんなには内緒ですよ?」


そう耳元で囁いて、クイッと彼女の顎を持ち上げたその時─────









「やめろっ!!!!」


あたりに、悲痛な声が響いた。


「この声って………」


「蓮くんっ!!」


ガシャッと音を立てて、"姫"が屋上の柵から身を乗り出す。


「わわっ、危ないですよっ!?」


………こんなところから落ちたらシャレにならない。


「でもっ、蓮くんが!!」