「ひゃっ……、蓮さ、」
驚きに目を見開く由衣の唇を、俺は容赦なく自分の唇で塞ぐ。
「ん……っ、」
重ねた唇から、由衣の小さな息が漏れる。
まだ、あいつの心のすべてを手に入れたわけじゃない。
……由衣がまだ話していない何かを隠していることも分かっている。
だけど、耳元で小さく揺れるお揃いのピアスが、俺たちの理性を狂わせるには十分すぎた。
午後の風に紛れるように、深いキスを交わす。
胸元と耳元で刻まれる、二人だけの歪で特別な絆を確かめ合うように、俺は何度も、由衣の唇を深く貪った────……
「っ、あ……」
ゆっくりと唇を離すと、俺の胸元に両手を置いたまま、彼女の顔がカアッと一気に真っ赤に染まっていく。
さっきまでのどこか儚げな雰囲気はどこへやら、由衣は耳の先まで真っ赤にして、茹で上がったようにパニックになっていた。
「なっ、なん……っ!?」
潤んだ瞳を泳がせながら、小さな両手で自分の唇を隠す。
その過剰なまでの狼狽ぶりは、ただ突然のキスに驚いているだけには見えなくて、俺の心臓を不規則に揺らした。



