君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~


「………ねぇ、」

「はい……?」



「………椎名君、だったっけ………あなた、一体蓮くんに何したの?」

「へっ?」



予想外の角度からの追及。
………まさか、レンさんではなく、一番警戒心がなさそうな姫に疑われるなんて。


ゆらゆらと、彼女の瞳が疑うように揺れた。



「蓮くん……昨日、あなたに会った後から様子がおかしいの。話しかけても、うわの空って感じで………」

「…………」

「あなたも………"月華"が狙いなの?」



「あなた"も"……?」

「前に、いたの。月華が目当てでメンバーに近づいた子。………結局その子が裏切ったお陰で蓮くん、大怪我しちゃったんだけどね。」



………この子、結構鋭いなぁ。



「えっと………もしかして僕、疑われてます……?」

「そうよ。蓮くんたちに近づく人なんて、ロクな人がいないんだからっ……!!」



彼女の瞳に宿る敵意は、大切な居場所を守ろうとする、必死な拒絶の裏返しだった。



「あのー………」

「………なに?」

「僕、蓮さんが暴走族やってるの、ついさっき知りました。だから、昨日最初に会った時はほんとに何も知らなくて………」


困り果てたように眉を下げ、気まずそうに視線を泳がせる。
───どこまでも”裏の世界を知らない一般人”としての戸惑いを、全身で体現して見せた。



「………そうなの?」

「だから、特にやましいことはなにも………」

「ほんと?ほんとに知らなかったの?」



「は、はい………」


ジッと、桃色の瞳に見つめられること数秒。