「おっ、もう来てたのか」
先頭で入ってきたのは陽人だった。
その後ろから、大晴、李兎、裕太───そして昨日の今日で気まずいはずの蓮さんや、なぜか由良までもが揃って部屋に入ってくる。
「あ……みんな」
今まで私に詰め寄っていた彼女が、ハッとして私から距離を置く。
一瞬にして部屋の空気が変わり、さっきまでの恋愛のゴタゴタは、彼らの真剣な表情によって遮られた。
「……なぁ由衣。そろそろ、聞いてもいいか。……今、俺たちの周りで一体何が起こっているのか───お前たちが、何者なのか」
ゆっくりと、だけど有無を言わせない威厳を纏って、蓮さんが言葉を紡ぐ。
(──あぁ、こういうところはちゃんと、みんなを引っ張る総長なんだ。)
場違いにもそんな笑みが零れそうになったけれど、それも一瞬のこと。
私を射抜く深緑色の瞳には、真っ直ぐで、揺るぎない正義の火が灯っていた。
……その光が、これまでいくつもの嘘を重ねてきた私の胸を、刃のように突き刺す。
───本当は、何も話したくない。
それが私たちにとっても、彼らにとっても、間違いなく一番安全な選択だから。
……だけど、じりじりと迫る沈黙に、人としてのプライドが音を立ててひび割れていくのが分かった。
(─────これ以上、彼の真っ直ぐな瞳に嘘はつけない。)



