君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~

♠ Yui



───翌日。


幹部室のソファに座る私の心は、昨日からずっと冷めない熱の中にあった。




目の奥に焼きついて離れない、

蓮さんの熱い手のひらと、甘く、熱を孕んだ声。



今も唇に残る

切なくて───だけど、触れるだけで溶けてしまいそうだったキスの感触。





(……冷静にならなきゃ)




───私は、蓮さんのことが好き。


それはもう、自分でも誤魔化せない。





───そして、なにより。




蓮さんの視線が私に向いていることなんて、前々からなんとなく気づいていた。


自惚れなんかじゃないって、本当は心の奥底でわかっていたはずなのに。




───いざ真っ直ぐ想いをぶつけられたら、想像の何倍も、息ができないくらい嬉しくて。




……唇に残る熱を思い出すだけで、今も心臓が壊れそうなくらい激しく波打つ。





───本当は。


すべてを投げ出して、"私も好き"と。

そう、伝えてしまいたかった。







───でも。


今の私には、蓮さんの気持ちを受け入れる余裕なんて到底できそうになかった。




九条との因縁や、紘との約束。



身分や立場、住む世界の違う私たちは。



このままじゃ、私の気持ちを伝えるどころか、もう二度と会えなくなってしまうかもしれない。




───それに。


私には、かつて任務を遂行しやすくするためにつくった、厄介な"制約"があった。