君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~


「っ、なんで、その名前を………」

「ん? ああ、”氷晶の五戦華”はこっちの世界でも結構有名だぜ? 特に最近は」

「……最近? なにか、あったんですか……?」



ドクドクと暴れる心臓を、胸の内で必死に抑えつける。


「あー、あくまで噂だけど、アイツら今暴れてるらしいんだ。なんでも、メンバーのひとりがいなくなったとか………」

「そ、うなんですか……」



みんなが、暴れてる……?

メンバー、つまり、私を探して…………?



「由良……? お前、大丈夫か? なんか、変だぞ………?」

「…………」



なんで、なんで…………そんなことが”こっち”の世界にまで漏れているの……?

………もしかして。

アイツが、情報を流した…………?




「………由良?」

「………あっ、は、はい……!! なんですか……?」



「なんかぼーっとしてたけど……」

「あ、いや………えーと、昨日ちょっと寝不足で………」

「そうか……?」



「はい。なので、気にしないでください……!!」

「…………お前、」









その時だった。
レンさんが核心に触れる何かを言いかけた刹那、静まり返った屋上の空気を切り裂くように、女子特有の甲高い声が響き渡った。



「蓮くんっ!!!!」


「…………桃華?」


"モモカ"