君は、狂愛の檻の中


「………確かに俺は、全国No.1暴走族である"月華"の総長だ。」


「…………えっ!!暴走族なんて、現実に存在していたんですか!?」


「まあ、な。………てか、暴走族なんてそこらへんにうじゃうじゃいるぞ。お前みたいに普通の生活してた奴は、気づかなかっただけで。昼間にぎわってる街とかも、夜になると豹変するんだ」


”普通”の、生活。


毎日毎日、血の匂いを嗅いで生きて来たのが、普通?


………常に"死"と背中合わせで、大切な仲間と次の日顔を合わせられないかもしれない世界で生きてきた私が?


私のことなんて、何も知らないくせに。


大切仲間を目の前で失うつらさなんて知らないくせに。


……………あなたは、どうしてそんなに笑っていられるの?


「しかも、全国No.1!?蓮さんって、もしかしてものすごく強い人なんですか?」


あなたは今、私がどんな気持ちでここにいるのかも知らないよね。


帰りたいのに、帰れない。


そんな気持ちを、あなたは理解しようともしない。


(………ほんと、イライラする。)


「そうか?……………でも、俺より強い奴なんて沢山いるけどな」


「えー、じゃあ例えば?」









「………氷晶の五戦華、とか?」


「っ、!?」


………完全に、油断していた。


会話を繋げるための、ただの些細な質問のつもりだった。


…………なのに、