「─────なんて、言うわけないだろ」
低く、だけど確信を込めてそう告げた瞬間。
ハッと、由衣の大きな瞳がこぼれ落ちそうなくらいに見開かれた。
「お前はもう、月華の一員だ」
────抜けるなんて、絶対に許さねぇ。
どこに行こうが、俺が引きずり戻してやる。
「………だろ?」
視線をゆっくりと動かし、背後に立つ仲間たちの顔を見回す。
「……ああ、当たり前だろ!!!!」
陽人が、いつものバカみたいに弾けた笑顔で大きく頷いた。
「うん。由良は……ううん、由衣ちゃんは、俺たちの本当に大切な仲間だよ」
大晴が、歳の離れた妹を迎え入れるような、この上なく優しい笑顔を浮かべる。
「由良がいないとつまんないし。なにより、ここにいる総長サマが悲しんで使い物にならなくなっちゃうからね~」
ふざけた調子でからかいながらも、裕太の表情には明らかな安堵がにじんでいた。
「桃華さんを命懸けで守ってくださるのなら、私たちにとってもこれ以上のメリットはありません」
クイッとメガネのブリッジを押し上げながら、李兎がわずかに口元を緩める。
………余計な一言が多いい奴らだが、我ながら、最高な自慢の仲間だ。
胸の奥が熱くなるのを感じながら、うっすらと笑みを浮かべて由衣の方を振り向く。
───だが、そこに広がっていた光景に、俺の笑顔は一瞬で凍りついた。



