───由衣の口から淡々と告げられた衝撃の事実に、今度は全員が口をあんぐりと開けて固まった。
「っ、は?待て待て待て」
「護衛?お前、そんなこと………」
「………待ってください。あなたは、強いんですか?私たち以上に強くないと、そんなこと成立しません。」
少し冷静さを取り戻した李兎が、目の奥に鋭い警戒を宿して由衣を見る。
「っ、確かに……俺ら以上に強くないと、桃華の護衛なんて……」
───到底、務まらない。
そう言葉を繋げようとした俺を、由衣は目線だけで静かに制した。
「こんなこと言ったら、ナルシストみたいになっちゃいますけど……強いです。戦闘も、蓮さんたちよりずっと慣れています」
じゃなかったら、こんな依頼受けません……と言葉を続ける由衣に、今度こそ全員が息を呑んだ。
「「「「「!!!!」」」」」
………信じられなかった。
いや、信じるのを、脳が拒んだ。
───あんなに弱っちくて、俺が守らなきゃいけない相手だと思ってたこいつが、まさか、俺よりも強いなんて。
守られる側だと思って、「俺が守る」なんて大口叩いた相手が、むしろ守る側だったなんて。
────あまりの情報量の多さに、脳の処理が追いつかなくなる。
「それで……最初は正直、蓮さんたちのこと、利用していました。」
───ドクンと、心臓が嫌な音を立てた。
これ以上、続きの言葉なんて聞きたくねぇ──。
「自分でも本当に最低だと思いますけど……蓮さんたちのこと、桃華さんに近づくための駒としてしか見ていませんでした」
「っ、」
──悔しかった。
実際に面と向かって言われると、恐ろしいくらいに傷ついてる自分が。
最初がダメでも、これから頑張ればいい───そう思えればよかったのに。
────そんな綺麗事さえ思えない、今の情けない自分に。
今までにないくらいの怒りが湧き上がっていた───……
「でも─────」



