君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~

♠ Ren




「…………ねぇ、蓮くん。話聞いてる?」



「………ん? ああ………」

「ウソ。絶対に聞いてなかったでしょ」


フッ、と。
目の前に影が落ちた。


「そんなことねぇよ」


チラッと上を見上げると。
地毛にしてはめずらしい、明るい栗色の髪が視界に入った。



「…………なにか、考え事でもしてたの?」

「まあ、な…………」


俺が、曖昧にそう答えると。
不安そうに揺れる薄い桃色の瞳が、じっと俺を見つめた。


「なにを考えていたの?」

「………ちょっと、おもしろい奴を見つけてな」



「…………それって女の子?」

「男に決まってんだろ。この俺が、女のことを気にかけるわけねぇだろ…………」



……女なんて。
見ているだけで、吐き気がする。



「よかったぁ…………。蓮くんの瞳に映っていい女の子は、桃華だけだから」


「…………それにしても、」

「ん?」

「男の子にしても。蓮くんが気に入るなんて、よっぽどなんだね」