〈蓮side〉
「…………ねぇ、蓮くん。話聞いてる?」
「………ん?ああ………」
「ウソ、絶対に聞いてなかったでしょ」
フッ、と目の前に影が落ちた。
「そんなことねぇよ」
チラッと上を見上げると、地毛にしてはめずらしい明るい栗色の髪が視界に入って。
「………なにか、考え事でもしてたの?」
「まあ、な………」
曖昧にそう答えると、不安そうに揺れる薄い桃色の目が、俺を見つめた。
「なにを考えていたの?」
「………ちょっと、おもしろい奴を見つけてな」
「…………それって女の子?」
「男に決まってんだろ。この俺が女のことを気にかけるわけねぇだろ………」
……女なんて、見ているだけで吐き気がする。
「よかったぁ……蓮くんの瞳に映っていい女の子は桃華だけだから。………それにしても、」
「ん?」
「男の子にしても、蓮くんが気に入るなんて、よっぽどなんだね」

