君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~



そこまで考えて、俺は小さく息を吐いた。



……らしくねぇ。


アクセサリーだの、プレゼントだの。

今までの俺なら、こんなこと絶対にしなかった。




───けれど。

目の前で困ったように視線を揺らしている由良を見ていると、どうしても引く気にはなれなかった。





「…………」



しばらく黙り込んでいた由良が、そっとネックレスへ視線を落とす。


白く繊細な指先が、恐る恐る三日月のトップに触れた。




………その瞬間。

ふっと、彼女の表情が柔らかくほどける。



「……っ」



思わず、息を呑んだ。


今まで見てきた“由良”じゃない。

男として作っていた表情でも、気丈に振る舞う仮面でもない。



────そこにいたのは、年相応の、ただのかわいらしい少女だった。



嬉しそうに。

でも、どこか照れくさそうに。


壊れ物みたいに大切そうに、そのネックレスを見つめている。