───恋。
───異性に、好意をもつこと。
今の私には、許されない行為。
……いや、決して許されてはいけない。
恋は人を盲目にし、時には被災をもたらす。
───わかっていたから。
私には"恋"なんて必要ない。
そんな、まるで普通の女の子がするようなこと───私にはいらない。
それがなくても、私には───……
───それに。
『俺、由衣のことが好き』
私たちがまだ中学生だったころ。
───私は、紘に告白された。
突然のことに驚いたけど………でも、不思議と嫌じゃなかった。
紘のなかで、私はそんなに大切な存在になれていたんだ、ってわかって嬉しかった。
嬉しかった、けど───
───その時の私にとって、紘は"大切な幼なじみ"というポジションだったから。
気持ちには応えられないって思ったし、
今の、心地よい関係を壊したくなかった。
───でも。
もし断って、紘が傷ついたら……そう考えると、断る気にもなれなくて。
『うん』
曖昧な気持ちのまま、私たちは付き合った。
私に恋愛感情がないことも、紘は知っていたし、これから少しずつ好きになればいい。
───そう、思っていた。
一年、二年と時を重ねるにつれ、私の中での紘への感情は少しずつ形を変えていったし、
───もう、とっくに私の気持ちも紘へと傾いているんだ、と。
───そう、自分に言い聞かせていた。
だけど───……



