「…ドッジボール苦手で」



半分本当、半分嘘。



半分はただ単に友達がいなくてみんなの輪に入れなかったからだったけど。



「そっか、じゃあ俺といようよ」



ニコッと太陽みたいに笑う昴くんは嘘はつかなかった。



隣のクラスなのに毎日お昼休みには私のところに来てくれた。



そんな昴くんに恋をするのは時間の問題だった。



小学生ながら昴くんが周りの男の子たちとはまとう雰囲気が違うのは感じ取れてたと思う。



それから毎日どうでもいい話をして、笑いあって。



相変わらずクラスには馴染めなかったけど昴くんさえいればそれでよかった。



でも2ヶ月ほどそんな日々が続いたある日。



「隣のクラスの早坂くんは転校することになりました」



隣のクラスだったから深く掘り下げることはされずただサラッと担任の先生がそんなことを口にした。