「何突っ立ってんだミチル。一緒に帰るぞ」
「へ」
「もう暗いだろうが」
「あ、いや、でも」
会長の家はわたしとはだいぶ方向が違う気がするのだが。
とはいえ断ったところで聞く耳を持ってくれる人ではないので、わたしは大人しく荷物をまとめて立ち上がった。
「んじゃ、また明日」
「うん、また明日。桃さんは僕が送ってこうか?」
「……気にせんでええよ木坂くん。今日は親に迎えに来てもらうから」
「お先に失礼します」と会釈して顔を上げると、桃先輩は静かにこちらを睨みつけているように見えた。
気のせいだと思いたくて、わたしはつい目をそらしてしまうのだった。
◇
……。
…………。
………………。
無言。



