常日頃から思ってるけど、やっぱ距離感おかしいよこの人。
「肩に力入りすぎだ。こんな劇別に大したことねーから気楽にやれ」
「そそそそうは言われましてもっ……」
「大丈夫だ。お前は何だかんだ言いながらも大抵のことはそつなくこなすタイプだろ。どうにかなる」
買いかぶりである。わたしが器用な人間であるはずがない。
……なのに、不思議なものだ。
会長からそんな風に言ってもらえると、だんだんと大丈夫なような気がしてくる。
「ま、そもそもそんな心配しなくても、このオレがいるんだから何とかなるだろうしな」
「敬人。その自信は良いけどセリフの改変はほどほどにしてね。話繋がらなくなっちゃうから」
「お、もうこんな時間か。帰るぞ」
木坂先輩から図星を突かれていたたまれなくなったのか、会長は完全スルーして鞄を持って歩き出した。
その後ろ姿をぼーっと見送っていると、会長は不意に振り返る。



