「前髪で目元隠してるのもあるけど、普段ずいぶん度の高い眼鏡してるんだね」
「あ、はい。小学生のときからずっと目が悪くて……今も何も見えないので早く眼鏡返してもらえると……」
訴えはようやく通じた様子。
彷徨わせていた手のひらにようやく眼鏡が置かれた。
わたしはほっとして、帰ってきた相棒を定位置に戻し顔を上げる。
そして戸惑いの声を上げた。
「ええと……?」
視線の先の桃先輩が、何とも形容し難い表情を浮かべていたからだ。
呆気に取られているというか、泣きそうというか、怒っているというか……。
「……意味わからん。何なんあんた」
震える声でそれだけ言うと、桃先輩は踵を返す。
そしてそのまま生徒会室を出て走り出した。
「桃さん!」
「放っといてやれ木坂。ミチルのこと散々見下してた分ショックだったんだろ」
「だけど」
「下手に慰めても惨めな気持ちになるタイプだろうがあいつは」



