今すぐ脱いで畳んで返品したくなる衝動を堪えつつ、どうにか腕を回して背中のファスナーを上げ、一息つく。
残念ながらこの場に鏡がないので現状がわからないが、まあ似合っていないことは確かだろう。
「あの、着替えられました……」
声が小さすぎて、三回そう繰り返すまで外の三人に気付いてもらえなかった。
部屋に戻ってきた三人の視線を一斉に浴びる。
羞恥心でうつむくわたしを見て、桃先輩がハッと笑った。
「ほらな、だから言ったやろ。完全に衣装に着られてるやん。てかあんた、せめて眼鏡ぐらい外さんかい。眼鏡のプリンセスは見たことないやろ」
「あっ、ちょ、待っ……」
そう言いながら、桃先輩はわたしの長い前髪を真ん中で分ける。
それから分厚いレンズの眼鏡に手をかけ、止める間もなくさっと外してしまった。
とたんにボヤける視界。わたし割と冗談じゃなく視力が悪いから困るのだが。
「……」



