「お前見る目ないな。ミチルはめちゃくちゃ可愛いだろ」
「……はあ? あんた前から妙にこいつのこと可愛い可愛い言うけど、あんたこそいったい何を見とるんや」
「なあ木坂。せっかくだから本番の衣装ミチルに着せてみようぜ」
「それは別に良いけど。ちょっと待ってね」
そう言った木坂先輩は、部屋の奥にあるロッカーから、いかにも劇用の衣装という感じのひらひらした可愛らしい水色のドレスを取り出した。
そしてハンガーにかけたままわたしに手渡す。
「原さん、僕ら部屋出るから着替えられたら声かけてね」
「あ、はい」
一人生徒会室に取り残され、わたしは改めてシンデレラの衣装に向き合う。
ふんわりとした水色のレースがたっぷりとあしらわれた、まさに物語に出てくるプリンセスのドレス。
恐る恐る袖に手を通すと、見慣れた自分の肌とひらひらしたレースのコントラストが少し落ち着かない。
……これ、わたしのような人間が着ていい服ではないのでは?



