そもそもこの地味女のプリンセス役なんて誰も喜ばないし、こいつ誰??で終わるから絶対!
わたしは激しく首を振って必死に拒否の意を示す。
するとその向かいで、桃先輩がバンっと力強く机を叩いた。
「ちょい待て。何でうちがシンデレラとちゃうねん。去年あんなに完璧に演じたったやろ!」
「まあまあ、二年連続っていうのも代わり映えしないし……」
窘めようとする木坂先輩を無視して、桃先輩はまっすぐわたしを指さしながらまくしたてる。
「そもそも! こいつにシンデレラ役できるわけないやろ! 魔法かかる前の灰かぶり娘ならまだしも、ドレス姿で東間の相手役は無理や! どうあがいてもビジュアルが釣り合わへん!!」
うむその通り。散々な言われようだけど事実だ。
わたしは味方を得たとばかりに無言で何度もうなずく。
しかし。
「桃」
静かなのに、その一言だけでつい萎縮してしまう不思議な迫力のある声。
ギャーギャー言っていた桃先輩も思わず口を閉じてその声の主である会長を見る。
その視線を受けた彼は、静かに唇の端を上げた。



