そして、それを手伝おうとモップを手にした先生を制止した。
「先生。掃除はわたしがやるのでゆっくりしていてください!」
「でも原さん一人に任せるのは悪いよ」
「大丈夫です! 決してサボったりいたしませんからっ!」
「それは心配してないけどねぇ……うん、でもそう言ってくれるなら、今日はもう職員室に戻らせてもらおうか。明日の授業でする小テストの作成がまだ途中だったんだ」
「了解しました! お任せください」
ゆっくり歩いて教室を出ていくおじいちゃん先生を見送り、わたしは掃除を開始する。
隅に溜まったほこりが残らぬよう丁寧に。窓は椅子に上って可能な限り上まで拭く。
一人なのをいい事に、半分鼻歌を歌いながらそうやって奉仕活動に励んだ。
──その声が聞こえてきたのは、あらかた掃除を終え、あとは集めたゴミを捨てに行けばミッション完了といったときだった。
ゴミ袋どこにあったかな? とキョロキョロするわたしの耳に、二人分の男の声が届いた。
「てめ……ふざけてんじゃね……覚悟はできてんだろうな……」
「すみませ……許して……」



