「何って、ミチルにクッキーを食べさせてる」
「それは見たらわかる。どういう理由でそんなことしとんのかを聞いてるんやけど」
「まあまあ、気にすんなって」
「気になるわ! てか見てみぃ、この子びっくりしすぎてフリーズしとんで」
びっくりしすぎてフリーズしていた。
な、なんなんだこの人。
ナチュラルに何をやろうとした。
「敬人、ずいぶん原さんのこと気に入ってるね」
木坂先輩はそんなやり取りを横目に、ポリポリと呑気におせんべいをかじりながら言う。
「まあな。だって可愛いだろこいつ。オレの彼女にならねーかって何回も言ってんだけど乗ってこないんだよな」
「ははは。それはまた……」
「……」
木坂先輩の乾いた笑い声のあと、辺りを沈黙が支配した。
やがてその沈黙を破ったのは、すーっと息を吸った桃先輩の口から発された、大音量の「は!?!?」という叫びだった。



