悪魔的生徒会長が妙に甘いのですが……。






それは二学期が始まって間もないある日放課後のこと。


いつも通り一人で静かに帰り支度をしていたわたしの耳に、クラスメイトの男子グループの会話が入ってきた。




「なあ、もう今日は掃除サボって遊びに行かね? 他の奴らも誘ってさ」




存在感がなさすぎるゆえに友達? ナニソレ美味しいの? 状態のわたしには、遠い世界の会話だ。

盗み聞きはあまり褒められたことではないと思いながらも、ついついそのまま耳を傾けてしまう。




「あれ、俺たち今週掃除場所どこだっけ?」


「社会科準備室」


「あー、確かにそれは余裕でサボれるわ」


「だろ? 息抜き大事大事♪」


「お前は毎日の生活が丸々息抜きじゃねえか。ま、良いけど。ほら、ちょうど駅前のファミレスのクーポン持ってんぞ」


「最高かよ。早く行こーぜ」




社会科準備室。

その名前を聞いた瞬間、わたしは帰り支度をする手を止めた。

その部屋は、わたしがこの学校で教室の次に過ごす時間の長い場所だ。