「だろ?」
だけど会長はわたしの小さな声を聞き逃さなかった。にやりと嬉しそうに口角を上げる。
そして──
「良いなお前。気に入った。なあミチル、お前も生徒会に入れ」
そこに置いてあるボールペン取ってくれ……くらいのテンションでそんなことをのたまった。
「……はい?」
「後期になってからまだ会計見つかってなかったし、ちょうどいい」
ちょうどいいって何が? すみません意味がわからない。
副会長たちは驚きで目をまん丸にされておりますよ? えっと、さすがに冗談ですよね??
じわりじわりと変な汗が吹き出してくる。
逃げた方が良い。本能がそう告げている気がした。
「しっ、失礼します!」
「あ」
わたしは勢い任せに頭を下げて、捨てに行く途中だったゴミ袋を引っ掴む。
そしてそのまま生徒会室を脱兎のごとく飛び出して走った。
なお、わたしは足がめちゃくちゃ遅いので「脱兎のごとく」という比喩は適当ではなかったかもしれないと申し添えておく。



