ついに超超高齢化社会に突入した日本。
政府は、何十年も前から、来たる超超高齢化社会の介護人員不足の解消に向けて『AIおよび最先端技術を活用した異次元の高齢者介護政策』なる政策に取り組んできたらしいが、今のところ全く成果が出ていない。
成果が出ていない理由について、毎年わが国のどこかで発生する大地震や災害の復興で手いっぱいだったとか、少子化による相次ぐ大学の倒産で有能な科学技術者が育たず国内の科学技術力が停滞しているとか、そんなことを言葉のチョイスを間違え、へらへらしながらなんとか党のおじいさんとか、よぼよぼの総理大臣とかが言っている。
そういうのがニュースで流れ、SNSで炎上して、謝罪して、辞職するのが政治家の仕事だ。
この前も、日曜日のお昼にやっている討論番組に出演した次世代自由党の90過ぎたおじいちゃん議員が、なぜスマホ中期時代からわが国のデジタル化は停滞してしまったのか、という議論中に
「私はスマホに脳トレとかソリティアのアプリを入れたりして、毎日スマホを触ってデジタル化に対応してるんだけどもね。世の中の超高齢者たちは時代についていけてない。ガラケーで終わっちゃってるんですよ。私たちより若い高齢者世代にしたってスマホは使えてもほら、家電やなんかをスマートフォンと連携して操作するだとか、サブスク? タッチ? ペイ? とかなんとか、そういうのはできたりできなかったりじゃない。だからね、わが国は、デジタル化についていけない時代遅れ高齢者に配慮した優しい国づくりをしているんですよ。停滞停滞って言いますけどね、これは世界に先駆けた高齢化社会国家モデルの構築であって、失敗ではないんですよ」
とか豪語したらしく、それが一部切り取られてニュースになり、まあ、いろいろ言われて、今まさに炎上中だ。
ともかく、少子化対策と超超高齢化社会対策の政策失敗で、わが国は衰退の一途をたどっている。
話を戻せば、異次元の高齢者介護政策は未だ継続中という体で、政府の失敗のしりぬぐいを私たち高校生がさせられているのである。
どういうことかと言うと、深刻の極みに達した高齢者介護の人員不足を補うため、文部科学省は高等学校の必修科目に『高齢者介助』を組み込んだのだ。
これにより、以前は部活動の時間だった早朝と放課後が介助実習の時間に変わり、高校生たちは近隣の高齢者介護施設で朝な夕なに介助及び補助業務をしなければならないのだった。
私も橘も今年の春から高校生。
入学早々、うちの高校の近隣にある寿老人ホームで介助実習が始まって、早ひと月以上が経過していた。
何を隠そう、この寿老人ホームは『ヤバいお年寄りが多い老人ホーム』として、県内の高校生たちの間では有名だ。
寿老人ホームは、国の『年金返上型老人ホーム』に指定されているので、通常の入居契約の他に、自分が貰うべき年金の全てを国に返上すれば無償で入居できるという年金返上入居契約の仕組みにも対応している。
その年金返上契約で入居した高齢者たちは、国のために本来貰うべき年金を貰わず老人ホームに入居してあげているという意識が強いらしく、施設のサービスに対して不満たらたらなのだった。
厄介なことに私たち高校生が介助を行うのは、年金返上型契約で入居した、元気で文句の多い高齢者たちなのである。
政府は、何十年も前から、来たる超超高齢化社会の介護人員不足の解消に向けて『AIおよび最先端技術を活用した異次元の高齢者介護政策』なる政策に取り組んできたらしいが、今のところ全く成果が出ていない。
成果が出ていない理由について、毎年わが国のどこかで発生する大地震や災害の復興で手いっぱいだったとか、少子化による相次ぐ大学の倒産で有能な科学技術者が育たず国内の科学技術力が停滞しているとか、そんなことを言葉のチョイスを間違え、へらへらしながらなんとか党のおじいさんとか、よぼよぼの総理大臣とかが言っている。
そういうのがニュースで流れ、SNSで炎上して、謝罪して、辞職するのが政治家の仕事だ。
この前も、日曜日のお昼にやっている討論番組に出演した次世代自由党の90過ぎたおじいちゃん議員が、なぜスマホ中期時代からわが国のデジタル化は停滞してしまったのか、という議論中に
「私はスマホに脳トレとかソリティアのアプリを入れたりして、毎日スマホを触ってデジタル化に対応してるんだけどもね。世の中の超高齢者たちは時代についていけてない。ガラケーで終わっちゃってるんですよ。私たちより若い高齢者世代にしたってスマホは使えてもほら、家電やなんかをスマートフォンと連携して操作するだとか、サブスク? タッチ? ペイ? とかなんとか、そういうのはできたりできなかったりじゃない。だからね、わが国は、デジタル化についていけない時代遅れ高齢者に配慮した優しい国づくりをしているんですよ。停滞停滞って言いますけどね、これは世界に先駆けた高齢化社会国家モデルの構築であって、失敗ではないんですよ」
とか豪語したらしく、それが一部切り取られてニュースになり、まあ、いろいろ言われて、今まさに炎上中だ。
ともかく、少子化対策と超超高齢化社会対策の政策失敗で、わが国は衰退の一途をたどっている。
話を戻せば、異次元の高齢者介護政策は未だ継続中という体で、政府の失敗のしりぬぐいを私たち高校生がさせられているのである。
どういうことかと言うと、深刻の極みに達した高齢者介護の人員不足を補うため、文部科学省は高等学校の必修科目に『高齢者介助』を組み込んだのだ。
これにより、以前は部活動の時間だった早朝と放課後が介助実習の時間に変わり、高校生たちは近隣の高齢者介護施設で朝な夕なに介助及び補助業務をしなければならないのだった。
私も橘も今年の春から高校生。
入学早々、うちの高校の近隣にある寿老人ホームで介助実習が始まって、早ひと月以上が経過していた。
何を隠そう、この寿老人ホームは『ヤバいお年寄りが多い老人ホーム』として、県内の高校生たちの間では有名だ。
寿老人ホームは、国の『年金返上型老人ホーム』に指定されているので、通常の入居契約の他に、自分が貰うべき年金の全てを国に返上すれば無償で入居できるという年金返上入居契約の仕組みにも対応している。
その年金返上契約で入居した高齢者たちは、国のために本来貰うべき年金を貰わず老人ホームに入居してあげているという意識が強いらしく、施設のサービスに対して不満たらたらなのだった。
厄介なことに私たち高校生が介助を行うのは、年金返上型契約で入居した、元気で文句の多い高齢者たちなのである。



