やり残したパソコン作業を終えて時計を見ると、時刻は深夜1時になろうとしていた。
高良はシャワーを浴びてバスローブを羽織り、軽くお酒でも飲もうと階段を下りる。
「えっ、おい、こら!」
まさかとは思ったが、リビングは明かりが点いたままだ。
「まったくもう、いつまで……」
言葉の途中で高良は息を呑む。
真っ白なドレスが広がる横で、美蘭がうつ伏せに倒れているのが見えた。
「白石さん!」
急いで階段を下りて、そばに駆け寄る。
「白石さん、白石さん?」
抱き起こして呼びかけると、美蘭は「うーん……」と甘ったるい声で高良の胸に頬を寄せ、バスローブの胸元をぎゅっと掴んできた。
「ちょっ、おい、こら!」
単に寝ているだけのようで安心するが、それにしても、なぜこうも言うことを聞いてくれないのかと呆れる。
トルソーに目をやると、どう見てもウェディングドレスは完成しているように見えた。
(いったいどこまでやったら満足するんだ? 時間があればあるだけ、手を加えるんだろうな)
ため息をついてから、美蘭の手首にはめられた針山を外し、一気に抱き上げる。
押さえてある客室へ運ぼうかと思ったが、途中でばったり宿泊客にでも見られたら大変だ。
しかも自分は今、バスローブ姿なのだ。
仕方なく高良は螺旋階段を上がり、もう一つの寝室に美蘭を運ぶ。
ベッドに寝かせると、美蘭はすーっと気持ち良さそうに寝入った。
(やれやれ。ようやくひと安心だな)
高良は小さく「おやすみ」と呟いてから、部屋を出た。
高良はシャワーを浴びてバスローブを羽織り、軽くお酒でも飲もうと階段を下りる。
「えっ、おい、こら!」
まさかとは思ったが、リビングは明かりが点いたままだ。
「まったくもう、いつまで……」
言葉の途中で高良は息を呑む。
真っ白なドレスが広がる横で、美蘭がうつ伏せに倒れているのが見えた。
「白石さん!」
急いで階段を下りて、そばに駆け寄る。
「白石さん、白石さん?」
抱き起こして呼びかけると、美蘭は「うーん……」と甘ったるい声で高良の胸に頬を寄せ、バスローブの胸元をぎゅっと掴んできた。
「ちょっ、おい、こら!」
単に寝ているだけのようで安心するが、それにしても、なぜこうも言うことを聞いてくれないのかと呆れる。
トルソーに目をやると、どう見てもウェディングドレスは完成しているように見えた。
(いったいどこまでやったら満足するんだ? 時間があればあるだけ、手を加えるんだろうな)
ため息をついてから、美蘭の手首にはめられた針山を外し、一気に抱き上げる。
押さえてある客室へ運ぼうかと思ったが、途中でばったり宿泊客にでも見られたら大変だ。
しかも自分は今、バスローブ姿なのだ。
仕方なく高良は螺旋階段を上がり、もう一つの寝室に美蘭を運ぶ。
ベッドに寝かせると、美蘭はすーっと気持ち良さそうに寝入った。
(やれやれ。ようやくひと安心だな)
高良は小さく「おやすみ」と呟いてから、部屋を出た。



