推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜



机の前に座る。

息を吸い込んで、ふうと吐く。
「よしっ」
シャーペンを手に取る。


“佑月くんへ”


佑月くんは、この手紙を読むのだろうか。

今頃佑月くんには毎日沢山のお手紙が届いているだろうし、この手紙はその中に埋もれてしまうかもしれない。

佑月くんがこれを読むのは数ヶ月後、数年後になるかもしれないし、永遠に読まれないかもしれない。