推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜



「日当たりのいい部屋だねえ。」

佑月くんが病室のカーテンを開けて窓の外を眺める。それから俺を見る。「退屈?」

「最近頑張ってたもんなあ、頑張り屋さんだから太一は。」
亮くんがベッドのそばの椅子に腰掛ける。

「眞鍋。」
佑月くんがベッドに寄りかかって、俺を見る。
「なんかあった?」

涙がぼろっと溢れた。
「デビュー、決まったんですか?」


「あ……バレた?」
佑月くんが、舌を出す。
「俺サプライズするの向いてないな。」
「そりゃあのテンションで行けばバレるに決まってるやろ」亮くんが笑う。