【短編】花が散れば花が咲きにけり

はっとして聞き逃しそうになった謝罪は桜坂さんのものだった。
「ひどいこと言ったり暴力振るったりしてごめんなさい。キスしようとしてごめんなさい。もう一生しません。申し訳ございませんでした」
彼女が続けた言葉に僕は嘘を見出せなかった。それは未鐘も同じらしい。
「何、軽々しく謝んの。気弱すぎね。ウケる」
安良城さんの反応は冷たく冷め切っていた。桜坂さんを馬鹿にしている。
「やめなよ!華恋ちゃんが本気で謝ってるんだよ。」
未鐘は強い。未来へ続く鐘という由来の名前がとても似合っている。
「そう。」
安良城さんはそれだけ弱々しく返すと床に倒れ込んだ。
「千鶴、千鶴。」
桜坂さんは床にしゃがんで千鶴ちゃんの腕を取った。
「脈。」