【短編】花が散れば花が咲きにけり

「ウケるとか言うな」
僕は声を張り上げた。桜坂さんは目を見開いている。でも未鐘のときのようにウケると思っているような感じではなかった。
「悪いわね。それと華恋ちゃんお手洗いを案内してくれないかしら」
は?こんな時かよ。でもそこまで未鐘には算段があった気がした。さすが未鐘だ。
未鐘をお手洗いに案内して桜坂さんはすぐ戻ってきた。リビングには僕と桜坂さん二人きりになる。
「さっきはウケるとか言ってごめんねぇ。私がウケるのは未鐘先輩だけ。」
どういうことだよ。怒りがふつふつと湧いてくる。未鐘はウケるっていうことかよ。なんだよ。今日3回目の怒りだ。
「新城くん、私、ずっと前から新城くんが好きだったの。ウケる子なんてヤメて私と付き合おうよ。」
衝撃的な告白で僕は固まるべきなのかもしれない。でも「ウケる子なんてヤメて私と付き合おうよ。」そういう人こそ気に入らない。僕は未鐘を愛している。それは変わらない。