家で。家にいるのは１つ年上の姉ちゃんだけ。新城未鐘っていう名前でちょっと鬱陶しいけど優しい。
「おかえり。って顔赤くない？さてはデートだな！教えて教えて」
うわ。鋭っ。ま、いっか。姉ちゃんにでも女子の好みを教えてもらおう。
「ああ、千鶴ちゃんが図書館行こうだって」
姉ちゃんは僕が千鶴ちゃんに特別な感情を抱いていることを知っている。
「ええ！告白しちゃえば。」
いや、早いよ。アドバイスするなら、何着ればいいとかでしょ。
「着る服、選んで欲しい」
これは本当。前にハルが千鶴ちゃんはお洒落な男が好きだとか言ってたから。
「なあに。そんな頼みなの？ま、いいわ。女の子みたいね」
それは姉ちゃんの冗談。
「いいから、早く選んで」
姉ちゃんはそう言うと頬を膨らませた。僕とは全く似てなくて、明るいし千鶴ちゃんを超える美女。淑女らしい落ち着きと少女らしい可愛さをあわせ持つのがいいとハルも言っていた。
「分かった分かった」
絶対わかってないな。
僕の部屋に入って、姉ちゃんは棚の奥にしまってある１着の明るい色のTシャツを取り出した。昔はよく着てたけど最近は着てない。