二人が過ぎ去って。ふたたび僕は千鶴ちゃんと二人きりになった。
「本当の兄じゃ、ないの」
本当の兄じゃない。義兄だということだ。その重みは僕にだって分かる。たまに義兄と恋する小説とかあるけど現実はそんなに軽くないはず。
「私のお父さんは不倫で離婚してるの。で、お母さんがお義父さんと結婚した。お義兄ちゃんはお義父さんの連れ子。」
そんな。いつも明るく振る舞っている千鶴ちゃんにそんな過去があるなんて。
「ま、気にしないで。お義父さんのことは素敵だと思ってるし、お義兄ちゃんもすごいなって思ってる。血が繋がってないだけ。本当の家族みたいだよ」
そうは言われても再婚がうまくいかないケースもあるって僕はちゃんと知ってる。千鶴ちゃん、無理してるのかな。
「朧月さんには初めて会ったんだ」
「本当の兄じゃ、ないの」
本当の兄じゃない。義兄だということだ。その重みは僕にだって分かる。たまに義兄と恋する小説とかあるけど現実はそんなに軽くないはず。
「私のお父さんは不倫で離婚してるの。で、お母さんがお義父さんと結婚した。お義兄ちゃんはお義父さんの連れ子。」
そんな。いつも明るく振る舞っている千鶴ちゃんにそんな過去があるなんて。
「ま、気にしないで。お義父さんのことは素敵だと思ってるし、お義兄ちゃんもすごいなって思ってる。血が繋がってないだけ。本当の家族みたいだよ」
そうは言われても再婚がうまくいかないケースもあるって僕はちゃんと知ってる。千鶴ちゃん、無理してるのかな。
「朧月さんには初めて会ったんだ」



