【短編】花が散れば花が咲きにけり

今噛まなかった？ま、いっか。僕は今を千鶴ちゃんと過ごせて幸せ。それが千鶴ちゃんも同じならいいなぁ。
僕たちが座るベンチの前を手を繋いだカップルが通り過ぎた。美男美女でお似合いだ。
「お義兄ちゃん！」
お兄ちゃんか。
「こっちはか、いや友達の景くん」
千鶴ちゃんの兄だという人は美男だった。見惚れるほど。男子が男子に見惚れちゃおかしいけど。
「おう。俺は安良城王夜。千鶴の義兄です」
「初めまして。私は大瀧朧月（おおたきおぼろつき）です。王夜くんとおつきあいさせていただいてます。」
大滝さんはすごく綺麗。姉ちゃんを越えるか越えないぐらいだ。