「私…先輩の元カノがあんなに綺麗な人だって知らなくて… 怖気づいちゃって…」
泉先輩は、ちょっと怪訝な顔。
「私のことをちゃんと知ってもらった上で振られたいと思ってたけど… どこかで、いつか先輩が私に振り向いてくれたらって…。 でも、先輩の隣なんて似合わないしって…」
うじうじしてるな、ほんと。
誰が、こんな私のこと好きになるの?
泣きそうになりながらも、チラッと先輩を見る。
意外にも――真剣な表情。
「悩んでんのって、たったそれだけ?」
「へ…?」
それだけって…。
先輩っ!私、これでも結構しんどいんですよっ!?
「綺麗とか可愛いとか、正直よく分かってない」
「えっ?水元先輩は立派なモデルさんですが???」
そういうと、また怪訝な顔。
ちょっと、こればっかりは先輩の方がおかしいですよ?
「どーでもいい美醜に囚われてる暇あんなら、 もっと俺のこと考えたら?」
「え…」
グイっと、先輩の顔が私の顔に近づいてくる。
ち…ちか…!
え? この距離、反則じゃないですか…?
息、止まるんですけどっ…? 心臓、跳ねすぎて痛いんですけどっ…?
“俺のこと考えたら?”って、それって、どういう意味……?


