ぜんぶ、ちょうだい。




先輩の私のイメージって、そんなんなんですか?
ちゃんと私のこと、見てくれてるんですか?

……好きです。

泉先輩のそういうところ、何気ない一言で、 私の心をぐちゃぐちゃにしてくるところ。

……でも、顔赤くするのは、先輩のせいですからねっ!

ぎゅっとペットボトルを握り締める。冷たいはずなのに、手のひらが熱い。



「先輩…元カノいたんですね…」



ボソッと呟いた言葉は、自分でもびっくりするくらい重かった。

こんなこと、本人に言ってどうするんだろう。
嫉妬?確認? それとも、ただの興味?

先輩は、なんで私をここに連れてきたの?

私のこと、どう思ってるの?

まだ“ストーカー”?
それとも、“ただの後輩”くらいには昇格してますか?



「吉川は、それを知ってどうすんの? 俺のこと、諦める?」



先輩は、足を組んでそう聞く。

長い足だなー…って、そうじゃなくて。



「あ、きらめる?」

「直接、散々諦めてって言ってきたけど… 俺じゃないやつのせいで、諦めるんだ?」



先輩は少し口角をあげてそう言った。


その瞬間、ドキッとして、もう先輩しか目に入らなくて。

集団下校してる小学生の声も、車の音も、風の音も、一切耳に入ってこなくて。