ぜんぶ、ちょうだい。




水元先輩の存在もそうだけど、言われた言葉がずっと引っかかってる。

清水は「感化されることない」って言ってたけどさ… 私の自信のなさが、泉先輩への“好き”のかたちにも繋がってるなんて。

……そんなこと、考えたことなかった。



「はい」



上から声が聞こえて、顔をあげると―― りんごジュースを持った泉先輩。



「え?」

「飲む?」

「く、くれるんですか?」

「いらないなら、持って帰る」



いるっ!いりますよ!



「空になったら、お部屋に飾っておきます!」

「需要ある?それ」



ぶんぶん顔を縦に振る。



「お金、返しますねっ」

「それじゃ、あげた意味ないじゃん。いらないから」



泉先輩は自分の分のコーヒーを開けて、一口飲む。

う、わぁ…かっこいい。飲む姿でさえも、かっこいい。
喉仏? い、色気が…。

ジーっと先輩を見ていると、横目でチラリと私の方を向いた。



「りんご嫌だった?」

「いや、あの…私のイメージりんごなんだなって…」



……何言ってんの私? 適当に選んだだけでしょ?



「すぐ顔赤くするし、甘いの好きそうだから」



サラッとそういう。