ぜんぶ、ちょうだい。


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「それで、うるさい・しつこい・目障りの3コンボくらってきたの?」

「うぅ…」



教室に戻ってきてすぐ、ひまちゃんが私の顔を見て何かを察した。

さっきの出来事を、全部話した。

泉先輩の冷たい言葉も、腕を掴んだことも、そして、最後に遠ざかっていった背中も。



「でも、相手も無口・無表情・無感情だよねっ」



ひまちゃんはキャハッと笑う。


……私は、笑えないよ。



「ほんとのほんとーに、このままフェードアウトしたほうがいいのかな?」



ぽつりと、つぶやく。

ひまちゃんは、少しだけ真顔になった。



「まだ、私名前すら伝えられてないんだけど…」



泉先輩が、私の名前を知ってるわけがない。

毎朝挨拶してるけど、返事はないし、目も合わない。

それでも、好きになってしまった。