せめて、友達と話してるところに出会えたら、声くらい聞けるんじゃないかって思うんだけど… なんせ、声が小さいの!
泉先輩、顔はめっちゃ目立つのに、声は空気みたいに静か! いつも周りの男子の笑い声しか聞こえないの!
先輩の声、どこ!?ってなるくらい、レアすぎる。幻かと思うレベル。
「ひまちゃん、私って…かなり無謀なことしてるのかな?」
壁に背中を預けて、ため息をひとつ。
胸の奥が、じんわり重い。
泉先輩の背中が、今日も遠かった。
声も届かない。目も合わない。それでも、私は毎日会いに行ってる。
「そうだね~。相手は、あの“高嶺の花”だからね~。こまちゃん相手にされてないもん」
ひまちゃんは、にこにこしながら容赦なく毒を吐く。 笑顔なのに、言葉は鋭い。
「うっ…」
心にグサッと刺さった。


