ぜんぶ、ちょうだい。




「そりゃ、清水は乙女心分からないだろうけどさ?」

「お前な…」



清水が呆れたように眉をひそめる。
でも、そんなの気にしない。だって、事実だし。



「でも……私の唯一の男友達なんだもん…」



言ったあと、なんだか急に恥ずかしくなって、ぷいっとそっぽを向いた。


って、そんなことより!泉先輩の観察タイム!!



「そんなこと言われたって、嬉しくねーぞ…」



清水がぼそっと言った。



「なに?なんか言った?」



今は泉先輩に全集中してるから、清水のぼやきは後回し。

だって……だるそうに準備運動してるっ……!
泉先輩、前屈で全然地面に手届いてないっ!かわいいっ!

あの、ちょっとやる気なさそうな顔も、髪がふわっと揺れる瞬間も、全部、全部、尊い……!

先輩が体育の授業のときって、私のクラスはだいたい移動教室で、グラウンド見えないんだよね。

でも今日は違う。窓際の席でよかったぁ~…!